「自転車のまち」を目指す松本市は、国内外から訪れるサイクリストを歓迎する、さまざまな取り組みをしている。秋の観光シーズンに合わせ、自転車の組み立てや分解ができる「サイクルステーション」を松本駅お城口に設置。快適に滞在できる宿のPRや、サイクリングコースの整備にも力を入れる。
サイクルステーションは幅6メートル、奥行き3メートルのテント型。更衣室や、スタンドが付いていない自転車を駐輪する「サイクルラック」を備える。工具や空気入れなども用意し、サイクリストのほか、自転車通学の高校生が利用する姿も見られる。設置は12月13日まで。
「乗鞍ヒルクライム」「ツール・ド・美ケ原高原」などの大会やイベントが開かれる同市には、全国からサイクリストが集まるが、駅到着時に自転車を組み立てるスペースがこれまでなかった。
宿泊施設を対象に「サイクリストに優しい宿」を認定する事業も始めた。「自転車を客室または屋根がある場所で保管できる」など四つの要件を満たす宿に認定証を交付する。今秋から申請を受け付け、これまでに15軒ほどを登録した。
また、松本観光コンベンション協会が2021年に設定した市内三つのサイクリングコースのうち、最長の「絶景めぐりコース」(30・4キロ)の路面に案内表示を施した。曲がり角や急坂の手前など103カ所で進行方向などを示し、休憩スポット6カ所も新設した。
いずれもサイクリストの旅行先に松本を選んでもらい、リピートしてもらうのが狙い。市自転車推進課の武井厚志課長(57)は「大会出場時以外も、松本をゆっくり楽しんでほしい」と話している。