松本の化粧品販売店「TADACHIYA」で講座 更年期に寄り添うメーク

女性ホルモンの分泌量減少に伴い、心身にさまざまな不調が現れる更年期。スキンケアや化粧にも悩みがちだ。松本市大手3の化粧品販売店「TADACHIYA(田立屋)」は12日、そんな世代に寄り添いアドバイスするメークレッスンを開いた。

自分をいたわり輝くこと大切に

講師は同店「メイクアップディレクター」のSAYORIさんと、資生堂ジャパン(東京都)専門店部チーフトレーナーの松田佳重子さん。昼夜2回の講座に計12人が参加した。
「更年期は女性にとって誰でも通る年代だが頑張っている世代でもある。忙しく過ごしている自分を少しでもいたわり、輝くことを大切に考えてほしい」とSAYORIさん。“美肌ホルモン”ともいわれるエストロゲン。女性には欠かせないものだがピークは35歳という。これが減少する更年期は仕事だけでなく、介護や子どもの自立、老後の不安など、悩みが多い年代でもあり落ち込みがちになる。
SAYORIさんは、そんな自分を癒やしたり励ましたりするのが「スキンケアと化粧」とし、「日々の何げないスキンケアを丁寧に肌に触ることで脳はリラックスし、化粧をすることで前向きな気持ちへとつながる」と伝えた。

色の力取り入れ表情に明るさを

続いて松田さんが、コットンを使った「軽圧式塗布法」というスキンケアを紹介。資生堂が研究した、表皮を活性化させやすい方法でコットンを使うと成分が顔全体に均一に届きやすい。人さし指と小指で挟んだコットンに化粧水や乳液を適量置き、血流に添って顔の中心から外側に、下から上に向かってなじませる。イラスト1の順番で一工程を3回ずつ行う。
力加減は優しく肌表面を滑らせながら軽く引き上げる。ゆっくりしたリズムを意識すると心地よい時間に。「香りで気持ちを和らげ、何度も顔全体をハンドプレスしてあげるのが大切です」と松田さん。
次にベースメーク。加齢に伴い肌色のトーンダウン(黄ぐすみ)も気になってくる。化粧でカバーしようと厚塗りしたくなるが、よけいに老けて見えてしまうという。化粧下地は顔全体に薄く伸ばし、目の下など影のある部分に重ね付けを。軽めでつやのあるベースメークで肌が若く見える。
ファンデーションは量などを調節しやすく潤いもある、リキッドタイプを使用。くすみをカバーするためにコンシーラーが役立ち、特にくすみが気になる場合はオレンジ色がお薦めという。
フェイスパウダーをさっとのせ、仕上げのチークは笑顔で付けることがポイント。心地よくきれいに仕上げるために道具選びも大切という。化粧に色の力を取り入れるために、この日は“大人の赤色リップ”を提案。赤は活力や情熱など強いエネルギーのイメージで、自律神経やホルモンなどにも作用するという。タイプの異なる3種類から各自が選び唇を彩ると、生き生きとした表情になった。

化粧生活を通し気持ち前向きに

顧客から「今までのスキンケアや化粧が合わなくなり困っている」という声が多く、初めて企画。今後も継続する予定だ。参加した松本市の40代女性は「細かく教えてもらい参考になったし講師にパワーをもらい年を取るのは怖くないと感じた」。
SAYORIさんは「化粧生活を通して気持ちを前向きにしてもらえたら。睡眠や腸内環境、運動だけでなく、日々、人と比べずポジティブに過ごすことなども大切」とアドバイスした。