「津軽三味線」習う安曇野の宮沢3姉妹

ピアノやバイオリン、英語、スイミングなど習い事をしている子どもは少なくないが、安曇野市穂高の宮沢莉乃音(りのん)さん(13、穂高東中2年)、愛乃音(あのん)さん(12、穂高南小6年)、詩乃音(しのん)さん(10、同5年)姉妹が習っているのは津軽三味線。イベントやコンサートに出演を依頼されることも多く、3人で息の合った音色を響かせている。

息の合った音色響かせ

3姉妹は今年、さまざまな場に呼ばれて10回以上演奏した。この後も地元の穗髙神社の境内で約1万本の竹灯籠をともす「安曇野神竹灯(かみあかり)」最終日の12月8日の神楽殿ライブに出演(午後5時半~)するほか、福岡県で開かれる、むなかた芸術祭(同1日、宗像市)と津軽三味線・能の舞コンサート(来年1月18日、福岡市)に招かれるなど引っ張りだこだ。
そろって一人1回40分の教室に月2回通うほか、毎日朝に15分と夜に1時間半の練習を欠かさない。弦を押さえる場所の勘所がずれるときれいな音が出ない、いろいろな演奏技術があるなど難しいことは多いが、「自己満足でなく、聞く人にいい音を届けたい。満足してもらいたい」(莉乃音さん)という思いで取り組んでいる。

迫力ある音に驚き「ハマる」

「日本に生まれたからには日本の芸能を」という父・孝広さん(49)、母・百合子さん(42)の勧めで、莉乃音さんは4歳、愛乃音さんは3歳で菊岡まつ乃三味線スクール(松本市中央3)の門をたたいた。
2人が楽器を弾いたのはその時が初めてといい、迫力ある音に驚いた。「3弦だけなのに、いろいろな音が出せるのはすごい。やってみたい」と体験教室ですっかりハマった。詩乃音さんも姉たちの姿を見て「面白そう」と7歳で始めた。
弦をうまく押さえられないなど苦労はあったが、曲が弾けるようになるとうれしく、達成感を感じるように。莉乃音さんは始めて6年目の2022年、「津軽三味線コンクール全国大会」の小学生の部で最高位の金賞に。愛乃音さんも今年の同大会で奨励賞を受けた。
歌が入る曲もあり、3人は民謡も学んでいる。30曲のレパートリーがある莉乃音さんが好きなのは「津軽じょんがら節」で、「演奏する人によって違う。勉強になる」。愛乃音さんのお気に入りは、師匠の山口ひろしさん(東京都)が作った「すいれきソーラン」。詩乃音さんは「『こきりこ節』。覚えやすい」。
三味線は弾き手の経験が音色に表れるといい、子どもの頃に始めた奏者も伸びしろは大きい。「三味線が楽しい」と口をそろえる3姉妹。「ずっと3人で演奏できたらいいかな」