歌人・中野霞さん松本で初個展

安曇野市出身の歌人・中野霞さん(27、伊那市)は12月6~15日、初の個展「劣島・資本」を松本市のギャラリーノイエ(大手3)で開く。今年5月に出した初の歌集2冊に掲載した270首のほぼすべてを展示予定。短歌を空間全体で楽しめるアート展のような仕掛けを考えている。
小学生の頃から短歌を詠み始めた中野さんは、安曇野市穂高西中学校3年生の時に「全国短歌フォーラムin塩尻学生の部」で最優秀賞を、信州大人文学部在学中の2019年に「短歌研究新人賞」を受賞した。
歌人としてのキャリアを総括したいと、新人賞受賞後に詠んだ作品と書き下ろしを含めて、歌集「劣島」「資本」にまとめた。「劣島」は劣等感を、「資本」は“資本化”された人や愛情などの残酷さや面白みを詠んだ。グラフィックデザイナーでもある中野さんが、装丁デザインも手がけた。
展示では、歌集の表紙に使っている蛍光の黄色とピンクをテーマカラーに、短歌の一部分をネオンサインにしたり、建築用の「水糸」やアクリル板を使ったりして見せ方を工夫する。展示の企画、デザイン、制作をすべて自身で行う。
中野さんは「現代短歌を歌集以外で見せることを、ずっとやりたいと思っていた。本を開かなくても楽しめます」と話す。
正午~午後6時。入場無料。問い合わせはメール(highbook3121@gmail.com)で。