松本国際高校(松本市村井町南3)のマンガ・イラスト専攻の生徒たちが今秋、4こま漫画の制作に取り組んだ。掲載はMGプレスの正月紙面。普段親しむマンガ誌とは違う読者層向けに内容を考え、技術も工夫して描くことに苦労しながら“商業デビュー”を目指した。
MGプレスが2025年の新年企画の一つとして、生徒による作品掲載を学校側に提案。学校が応じ、同専攻で学ぶプロ志望12人の課題とした。大半の生徒にとって、自分の絵を初めて商業メディアに載せる機会だ。ただし掲載は6本のみ。競争があるのはプロと同じだ。
同専攻の外部講師で、MGプレス「マツモトデイズ」などを連載する漫画家の火ノ鹿たもんさん(同市)は、「原稿料が発生する仕事として、作品を作るトレーニングになる。4こま特有の難しさも経験できる。妥協せずに指導した」という。
生徒は、正月、長野県、巳年(みどし・ヘビ)のどれかをテーマに選び、ネタ作りから考えた。
1年生の藤井クレア美礼さん(16、同市里山辺)は、米国からの帰国子女。日本の風習を採り入れるのが難しかったといい、「みんなと協力してできた。自分の作品が人の目に触れるのはうれしい。読んだ人をちょっとでも笑わせられれば」。
1年生の男子(16、駒ケ根市)は普段、バトル系漫画をシャープに描いているが、今回は丸みのある絵にした。「いろんな絵を描けた方が漫画家として幅ができる。ネタは祖父母に相談した」という。
「どの作品も甲乙付けがたかった」と火ノ鹿さん。選ばれた6作品が1月1日付に掲載される予定。