大糸線応援糸魚川へ 観光協会初のツアー漁協など見学

松川村観光協会は11月21日、JR大糸線の利用促進と活性化を目的に、新潟県糸魚川市を訪れる「JR大糸線応援ツアー」を初めて開いた。同村在住、在勤の46人が参加。漁業関連の現場や2016年に大規模火災に見舞われた市街地を見学したり、海の幸を味わったりと、日帰りの旅を満喫した。
乗り継ぎ時間の都合で、大糸線は帰路だけ利用。バスで同市を訪れた一行は、井川賢一副市長や市職員らの歓迎を受けた。
能生川のやな場付近では、日本海から遡上(そじょう)するサケを捕獲し、人工授精をする能生内水面漁協の作業を見学。雌の腹から卵を取り出す様子などを間近に見て、遡上の時期や回帰率を熱心に尋ねていた。近年全国的にサケの回帰率が低下する中、県立海洋高校(同市)と共同で行っている持続可能な増殖事業に関する取り組みの説明も受けた。
午後は、能生漁港に停泊中の同校実習船「海洋丸」を見学=写真下。生徒が約1カ月の乗船実習に出る船内に入り、各種設備や装置を見て回った。続いて市街地を訪れ、地元ガイドと大火の被害を受けた商店街付近を歩いて復興の様子を確かめた。
参加した有賀昇さん(74)は「日頃食べている食物の生産過程などを学べた貴重な機会だった」、下村祥子さん(83)は「帰路の電車は乗り継ぎが多く大変だが、学びの多い楽しい旅だった」と話した。