「富昌」作えびす・大黒像 塩尻の武居さん宅でも保管

塩尻市塩尻町の武居博明さん(66)が、江戸時代後期に活躍した諏訪立川流二代目の彫師立川和四郎富昌(1782~1856年)の作とみられるえびす像と大黒像を保管している。MGプレス11月26日付1面に掲載した深志神社(松本市)のえびす、大黒像の「里帰り祭」の記事で富昌作の名がある像が目に留まり、棚に飾ってあった二つの像を確認した。
武居さん宅のえびす、大黒像はそれぞれ高さ12センチほど。足裏に「立川内匠富昌」の文字と花押がある。左端に祭主の名前が書かれ、「阿禮神社(塩尻市塩尻町)の宮司に魂入れをしてもらったようだ」と武居さん。大黒像には「六十七翁」と書かれ、富昌が数え年で67歳の時の作とみられる。
二つの像は、武居さんが親戚から事情があり預かっている。3年ほど前に古文書の専門家らに見てもらったところ「富昌の作に間違いなかろう」との見解だったという。
武居さんは「二つの像は作品としていいもので、大事にしたい」とし、深志神社の里帰り祭に春日孝介さん(75、松本市)が持参した富昌作とみられるえびす像、大黒像と「対面させる機会があったらいい」と話している。