【中村小太郎・自然派生活】#9 問題解決には地産地消と自給自足

筆者が営む「自然農園なかむら」の自給自足の最後のピースという「平飼いたまご」

「子ども食堂」を運営する特定非営利活動法人を設立してから2年がたちます。私たちのような団体を支援してくれるNPOによると、子ども食堂は、全国に6千以上あるそうです。私たちのように毎週開催しているところは少数で、月1回や3カ月に1回のようなところが多いようですが、それでも多いと思いませんか。見るに見かねて始める人たちがいるのでしょう。
普段は子ども食堂に来てくれる子どもたちに集中しているので、気付かなかったのですが、この1年で間違いなく来場者の列が伸びました。この状況を見て根本的に何かを解決しなければと強く思うようになりました。
ず読書で「何か」のヒントを探りました(このやり方で、混迷を生き抜いてきました)。読みました、400ページ超の大書「肥満と飢餓」(ラジ・パテル著、作品社)。ごく一握りの人が支配するアメリカ発のフードビジネスの存在を暴いた本で、日本語版序文にはこうあります。「なぜ世界で10億人が飢えにあえぎ、10億人が飢えに苦しむのか」と。これを解決するには、地産地消と自給自足の生活しかないのではないか─と思いながら本を閉じました。
山修司の評論集「書を捨てよ、町へ出よう」ではありませんが、「書を捨てよ、農に出よう」です。地元の役所には「農業委員会」が必ずあります。近くで借りられる農地を教えてくれます。まず、植物性タンパク質の宝庫である大豆の栽培をお勧めします。食べ物の列に並ぶより鍬(くわ)を振りましょう。自分の食べるものを作り始めたら、フードビジネスとおさらばできます。応援します。
年、フードビジネスの発祥地、アメリカの大統領が代わります。そして「食品中の有毒成分の禁止」と「遺伝子組み換え食品と有毒農薬を禁止」の動きがあります。フードビジネスの基本が崩れようとしています。大チャンス!
(農業、塩尻市在住)