活動17年 木曽町の運動サークル「さくら組」 頭と体 明るく動かし健康に

木曽町の有志でつくる運動サークル「さくら組」は、前身の町社会福祉協議会主催の運動教室から数えると活動歴は17年。今は60~90代の女性20人ほどが毎月2回、町文化交流センター(福島)に集い、頭と体を動かしている。明るい雰囲気も特長で、メンバーの健康維持に一役買っている。

運動や頭の体操 多彩なメニュー

11月19日は14人が参加。あいさつ代わりのカードゲームは、片足を上げた状態で机を囲み、筋力トレーニングをしながら行う。「おおびら(木曽地域の郷土食)の材料は?」などと言って、その答えとなる食べ物が描かれたカードを取り合った。
講師はフリーの介護予防運動指導員・勝野幸子さん(68、同)。「いつまでも自分の足で立って、自分の力で歩ける体力を持ち続けられるように」を信条に指導をしている。
運動の前は健康維持のためのミニ講座で、この日はヒートショック(血圧の急変動)と浴室熱中症について説明。長湯や高温での入浴による血管の拡張が原因で起きる体調不良が浴室熱中症。「特に高齢者は溺死を招くこともある」などと注意を呼びかけた。
続いて運動。まずは正しい姿勢を確認し、手指を動かした後、小さなゴムボールを使って、“頭の体操”と同時に進める「コグニサイズ」に取り組んだ。
また、下半身の筋トレでは、200グラムの重りを両足に巻いて足を上げ下げした。さらに棒を使った運動も行うなど、内容は盛りだくさんだ。
少し負荷のある運動も「笑顔でね!」と勝野さん。この一言で、にこやかな雰囲気になり、場も盛り上がる。最後は円陣を組んで歌を歌いながらお互いの体をさすってリラックス。「さくら組!ファイト!オー」と、大きな声を出して締めくくった。

仲間と支え合う雰囲気も魅力に

さくら組は2007年にスタートした町社会福祉協議会の「楽らく運動教室」が前身。同教室は10年ほどで終了したが、「もっと続けたい」と自主的に継続した。60歳以上が対象で福島や日義などの地区から集う。
バスやタクシーなどを利用する人もいて、高齢者がバスのステップを上がるのに時間がかかるのを理由に退会してしまったという課題もある。
最高齢の峯村厚子さん(92、同)は15年ほど通うベテラン。「皆の顔を見たり、話をしたりして、とてもいい時間」と笑顔だ。
代表の林下啓子さん(75、同)は「ストレッチなどは生活に生かせる。運動中は間違っても笑いながら、それぞれの体調に合わせてできるのもいい」。自分より先輩が、生き生きと運動する姿は張り合いでもある。
講師の勝野さんによると教室で運動したことで、それまで階段を上れなかった人が上がれるようになり、心も前向きになったなど、「うれしい感想」が多く寄せられているという。
仲間意識が強いのも特長で「年下は年上を敬うし、年上は年下を大切にする。皆が支え合っていて、とても良いグループです」と勝野さん。「継続は力なり。私の方が元気をもらっています」と感謝している。