「DODO であえたはずのどうぶつたち」 大町市立大町図書館で倉科昌高さん 絵本の原画や模型など展示

大町市立大町図書館は1月5日まで、市出身のカスタムペインター倉科昌高さん(62、東京都)が手がけた絵本「DODO(ドードー)であえたはずのどうぶつたち」の原画展を開いている。ドードーなど絶滅した生き物をエアブラシで描いた原画11点や模型と共に、「こうした生き物や自然環境を考えるきっかけに」と関連の蔵書も並べた。
2004年出版の絵本(絶版)では、インド洋のモーリシャス島に生息していた飛べない鳥「ドードー」、有袋類の一種でフクロオオカミとも呼ばれた「タスマニアンタイガー」など、20世紀までに地球からいなくなった10種類の動物を取り上げた。
倉科さんは絵本制作に当たり、文献や海外の博物館などを訪れて取材。生息環境も伝わるような描写で、グラデーションが美しいモノクロの動物たちが生き生きと描かれる。体長75センチほどのドードーの実物大模型2体も展示している。
倉科さんは子どもの頃から動物や自然に関心を寄せた。フリーランスのイラストレーターを経て、さまざまな物に独創的なペイントを施すカスタムペインターに。ミュージシャンのギターや映画衣装、建物などのペイントをするなど、他分野のクリエーターとのコラボ作品も手がける。
今展は、旧仁科台中学校(現大町中)で同級だった竹内紀雄館長との再会を縁に、県内では初めて開いた。
「絵本にはあえて絶滅の理由は記さなかった」と倉科さん。「子どもが疑問に思って調べたり、それぞれの立場で何かに気付いたりするきっかけになればうれしい」と話す。
午前9時半~午後7時(土・日曜は5時)、月曜と24日、29日~1月3日は休館。℡0261・21・1616