【醸し人】#21 Monterey Brewing 社長・清水守さん

自分に合う一杯探す楽しさを

塩尻市洗馬の小高い山の麓に立つ、ブルワリー「Monterey(モントレイ)Brewing(ブルーイング)」。2月からクラフトビールを造り始めた「出来たて」のビール醸造所だ。運営するモントレイ社長の清水守さん(43)は、「自分に合ったクラフトビールを探す楽しさを知ってほしい」と期待する。
現在の商品ラインアップは4種類。県産のリンゴを使った「フルーツエール」。コリアンダーのほか、サンショウや夏ミカンなど「和」の食材を使った「ベルジャン」。
今夏から販売開始した「IPA」は小麦の量を増やし、苦味にボディー感をプラス。1杯でも満足する仕上がりに。11月に完成した「ナガノパープルエール」は季節限定で300本(330ミリリットル)醸造。ナガノパープルを生産している友人の「このブドウでビールはできないの」という要望に応えたという。
「フルーツ、ベルジャン、IPAは定番として定着させ、そこに、多様な限定商品を追加したい」。年間生産量も現在の5千リットルから「3倍くらいにはしたい」と見据える。

実家はレタスなどの葉物野菜農家。大学卒業後、いったんは家業を継いだが1年ほどで方向転換。ファストフード店や食品製造会社などで10年以上働いた後「自分で何かやりたい」と模索し始めた。
塩尻出身ということで、ワイナリーを考えたが、ブドウ栽培の大変さなどを知り断念。ビール醸造所にたどり着いた。
「元々は『人が集まる場所』をつくりたかったが、今は『人を集める物』に代わった。それがビール」とし、「嗜し好こう品なので一気に需要は増えない。焦らず、じっくりと取り組みたい」。ビールを味わうかのようにだ。

【沿革】
モントレイ・ブルーイング 2022年11月、モントレイ設立。24年1月、酒類等製造免許(発泡酒)を取得。2月、初仕込み、3月、自家醸造ビール販売開始。

【清水さんおすすめこの1本】
モントレイIPA
(330㍉㍑ 小売店価格660円)

【相性のいい料理】
ピザなどチーズを使った料理やトマトソースを使った料理

【連絡先】
清水さんTEL090・9828・6153