【亜矢子先生に聞いてみよう!】#47 言うことを聞いてくれない…

Q 宿題はもちろん片付けや入浴をするように言っても聞かず、ゲームはやめられず…言うことを聞いてほしいです。(小学4年男子の母)

約束事を決め一人の人間として接して

A 「どうして何度言っても○○できないの!?」。つい言ってしまうこのせりふは、疑問形ですが実は怒りの感情。どうして?と言われても子どもには分かりません。それどころか「お母さん今日も怒っているな」と“聞き流しスキル”で黙り込んだり、「自分は何度言われてもできないダメな人間だ」と投げやりになったりする子も。結局、怒りはお互いに良いことないです。
でも忙しいときに限って子どもが動かない!「さっき言ったのに、まだ片付けてない」「いつになったら宿題をやるの」「7時に夕飯だって言ったでしょ」…。ゲームにスマホなど途中でやめようにも物理的・精神的に自分の意志では止められない時代(だから私はデジタルを勧めません)。今の子は気の毒だなあと思いつつこう考えてみませんか。もしかしたら「何度も言う」から聞かないのかもしれないと。
「言うことを聞かせなきゃ」から脱却し、冷静になって試してほしいことがあります。まずはそのゲームの内容を把握してください。場面で終わるのか、自ら時間で終わらせられるのかなど。次に本人に、一区切りするのにどのくらいかかるか聞いてみます。親は10分と思っても、20分と言うかもしれません。さあ、交渉タイム!
合意したら顔を見て「では、時間の約束を」と、時計を指さしゆっくりと一度だけ、「7時までね」と確認します。決めた後は親も自分のことに集中してOK。紙やホワイトボードに決めた時間を記入しておくと、忙しい母の手助けにもなります。「タイマーをかけるよ」と見えるところに置くのもいい。いろいろ試してみて。
さあ、約束時間になりました。「終わりだよ!」の声がけは極力避けて。もししばらくしても続けているなら軽くお子さんの肩に触れ、「笑顔で」時計を指さしましょう。
ポイントは、お子さんと約束事を決めること、そして約束時間を守っても「褒め
ない」こと。もちろん守れなかったから「怒る」のもなし。賞罰で子どもを支配下におくのではなく、一人の人間として接するのが実は一番の早道。約束したらあとはお子さんを信頼し、母は自分のやることをしていてよいのです。
一度で聞き取る集中力、時計を見ながらの時間調整力、何よりお互いの信頼を育てていると考えて、イライラからお母さん自身が解放されるといいなと思います。(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)

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