木曽町の「木曽踊(おどり)保存会」(越孝弘会長、約30人)が「正調木曽節」のCD販売に乗り出した。音源は昭和50年代、会員に唄の名人がそろった時に収録したもの。閉店した地元CD店から今年版権を譲り受け、再販が可能になった。唄と踊りの保存、普及に一役買いそうだ。
CDは「木曽のナーなかのりさん」で始まる木曽節、木曽地方で古くから祝宴の最初にうたわれてきた「木曽祝唄」、民謡「木曽甚句」の3曲を収録。同会は地元の旅館で宿泊客に踊りを見せることもあり、「日本の伝統文化への理解を深めたい」と購入する外国人客も多いという。
「正調|」は、1918(大正7)年に発足した同会の初代会長・故伊東淳(すなお)さんが、古くから口伝されて地域差があった木曽節の、歌詞と歌調を整えたのに由来し、会員がうたい継いできた。
事務局長の野田智彦さん(39)は「オールスターぞろいの正調木曽節が聴ける名盤」とし、地元の子どもらに踊りを教える際の教材としても期待。会員の松岡功恭さん(89)は「高齢化による会員減など課題もあるが、木曽節の文化をつなぐ一助になれば」と願う。
千円。同町福島の「広小路プラザ」で販売する。問い合わせは事務局TEL050・6866・2770