塩尻市の片丘公民館は12月23日、地元出身の児童文学作家はまみつを(浜光雄)さん(1933~2011年)の作品朗読会を片丘多目的研修センターで開いた。朗読士の池内のりえさん(宗賀)が二つの物語を情感を込めて読み上げ、住民ら22人が聞き入った。
はまさんが亡き母をしのんで書いた「しょうがの手」と、女性教諭と子どもたちの触れ合いを描いた「こぶしのとうげ」を取り上げた。
池内さんは物語が生まれた背景も知ってほしいと、はまさんの生い立ちや心の葛藤なども紹介。参加者は厳しくも優しい母親像や、教諭と子どもたちの心情を池内さんの声のトーンや言葉の間から感じ取り、静かにうなずくなど物語に浸った。
朗読会は、地域ゆかりの作家を知ってもらおうと初めて企画した。参加した70代女性(南内田)は「自分の子どもの頃や母の姿を思い出し、涙が出そうだった。読んだことはあったが、朗読で感情の深みが伝わり感動した」と話していた。
全2回で次回は1月14日午後1時50分から、はまさんの「夜通道」などを朗読する予定。参加申し込みは8日までに同公民館TEL0263・52・0125