【特集・松本の街】大好きな場所で最後の思い出をー信金×深志高×パルコ 1月18、19日 「パルコアラデー」

「パルコアラデー」で販売するスイーツを持つ松本深志高生(左から星田さん、奥原さん、山本さん)

「大好き過ぎた場所」「友達との遊び場」「ワクワクする場所」。2月に閉店する松本パルコ(松本市中央1)への、地元女子高校生たちの思いだ。「パルコ愛」があふれている。
愛着のある場所で、最後の思い出を残そうと、松本信用金庫、松本深志高校、松本パルコは18、19日、3者共同のフィナーレ企画「パルコアラデー」を同店で開く。
閉店に向け多くのイベントが開かれる中、「他にはないもの」をと、同店キャラクター「パルコアラ」に注目。同校生徒のイベント案を基に作ったパルコアラにちなむスイーツ、Tシャツ、マグカップなどを販売する。
当日、スタッフとして参加する生徒たちは「パルコに笑顔で感謝を伝えたい」と思っている。

信金の出張授業で呼びかけ受け

松本信用金庫、松本深志高校、松本パルコが協力して行うフィナーレ企画「パルコアラデー」。開催のきっかけは─。
昨年7月、松本信金が、松本深志高の探究授業で、1年生を対象に出張授業をした。17人が参加。その中で同金庫は、お金に関わる仕事以外の「地域経済活性化事業」に取り組む理由などを解説した。さらに、閉店する松本パルコのフィナーレを飾る、思い出に残るイベントの企画を呼びかけた。
参加した生徒は4グループに分かれて案を練った。「お化け屋敷を行う」「カフェの開催」「パルコの歴代広告の展示」…。さまざまな案が出た中、オリジナルのスイーツ、Tシャツ、マグカップの製作販売を大きな柱とすることに。企画に協力してくれる企業、店などを募った。
その結果、スイーツはパティスリーミルティーユ(松本市梓川倭)、竹陽製菓(同市大手1)、ロン・ポアン(同市桐2)、おやきの高峯(同市巾上)、サントゥールムラカミ(安曇野市穂高)が協力してくれることになり、合計7種類の菓子を製作した。
Tシャツとマグカップは、松本市和田の広告会社、ソニックスが手がけることになった。

イベントで販売するマグカップ(1個900円)
Tシャツのデザインパース。イベント当日、Tシャツは1枚2900円で販売する

試作品に「かわいい」「おいしい」

昨年12月16日に完成した試作品を、生徒たちに見せた。スイーツはパルコアラをかたどったバウムクーヘンやフィナンシェ、シフォンケーキなどで、立ち合った生徒たちは「かわいくて、食べるのがかわいそう」などと言いながら、パクリ。「おいしい」と、たちまち笑顔に。
Tシャツとマグカップにも、「チェック柄がかわいい」「開店した年号が入っていて記念になる」などと感想を話していた。
「パルコアラデー」のイベントを主導する松本信金営業統括部業務推進課の山田智之課長は、「松本パルコの最後にふさわしい商品ができた」と満足感を見せた。
松本パルコの斉藤博一店長は「若者に向け、カルチャー、ファッションなどの情報発信をしてきたのがパルコ」とし、「高校生とイベントができるいい機会。最後まで刺激を届けたい」と期待する。
イベントは両日とも午前10時~午後5時。問い合わせは松本パルコTEL0263・38・2111

イベントに向け打ち合わせをする松本パルコの斉藤店長(左)と松本信金の山田課長(右奥)

「寂しい」「特別な場所」「いつもワクワク」

松本信金の出張授業に参加し、「パルコアラデー」のイベントに関わった生徒の話。
山本莉子さん パルコが大好き過ぎて、なくなるのがとても寂しいです。園児の頃から母親と一緒に行った思い出の場所でもあります。洋服を買う所がなくなり、どうしようかと思っています。
竹内栞さん 友達と遊びに行くとき「とりあえずパルコ」が合言葉になっていて、よくプリクラを撮っていました。当たり前にあったものがなくなるのは悲しい。せめて私が高校生の間は存続してほしかったです。
奥原茉祐さん パルコは家族のイベント事の時に使う、特別な場所でした。マグカップは「MATSUMOTO」や「FINAL」の文字が入っていて記念になります。感謝の気持ちを持ってイベントに携わりたい。
星田英恵さん 伊那市から通学していて、パルコは松本の象徴のようでした。きょうだいの成人式のスーツや卒業式で履いた靴など、特別なものを買った場所。店内に入るときはいつもワクワクしていました。