【特集・未来を描く】少年サンデー連載「レッドブルー」 ТVドラマ化 波切敦さん(塩尻市出身) 地域の応援を糧に飛躍

塩尻市出身の漫画家・波切敦さん(39、神奈川県)が、注目されている。2022年から週刊少年サンデー(小学館)に連載している格闘技漫画「レッドブルー」がテレビドラマ化され、昨年12月から毎日放送(MBS)などで放映中。故郷の応援を糧に、さらなる飛躍を期する。
波切さんが漫画家になりたいと思ったのは中学生の時。同級生とノートに落書きのような漫画を描く中で、「漫画家に」という夢が芽生えた。
同市の田川高校を卒業後、東京都の町田デザイン専門学校のまんが科へ。10年ほど著名漫画家のアシスタントを経験し、2017年にボクシングが題材の読み切り「貫通」(週刊少年サンデー)でデビューした。
漫画家として広く認められたのは、翌年から連載を始めたバスケットボール漫画「switch」(同)だ。これを含め、スポーツを題材にすることが多いが、「運動は得意じゃない」。ただバスケは中学校で休み時間に仲間とよくし、漫画「SLAMDUNK」も好きだったという。

現在連載中のレッドブルーは総合格闘技が題材。「寝技、打撃などいろいろな技があり、選手の個性を出しやすい。1対1で戦うのも面白い」と魅力を話す。
テレビドラマ化は、「決まってびっくりした。若手アーティストが出るので、新しいファン、女性ファンも増えたらうれしい」と喜ぶ。
連載は、プロ編に突入しており、「プロの世界で活躍、試合をするたびに成長する主人公を見てほしい」と期待。気になる結末について、「だいたい固まっている。今後は、話を足すなどしてそこに向けて取り組む」と教えてくれた。

自身の高校時代を尋ねると、「友人と、トイザらス松本店(松本市)のゲーム体験版で遊んだ」と波切さん。思い出の味は、「レストハウス国界(塩尻市)のしょうゆ味のラーメン」と懐かしむ。
週刊誌の連載は大変で、今は「話を考え、絵を描いて|と、一日中ずっと漫画と向き合っている」という生活を送る。時々帰るという塩尻でリフレッシュしており、「地元の人の応援はうれしい。地域が盛り上がるようもっと有名になるといい」と意気込む。

なみきり・あつし 1985(昭和60)年生まれ。塩尻市北小野出身。「黒子のバスケ」などで知られる漫画家・藤巻忠俊さんらのアシスタントを務めた。2017年、「ガリバク合気」で第79回小学館新人コミック大賞の佳作を受賞。連載は「switch」(週刊少年サンデー18年20号~21年24号)など。

【レッドブルー】
病弱で根暗な高校1年生、鈴木青葉(すずきあおば)が総合格闘技の世界に挑む姿を描いた作品。ドラマ(実写)は、FANTASTICSの木村慧(けい)人(と)さん(鈴木青葉役)主演で、昨年12月17日から深夜、MBS、TBSで放映スタート。ネットフリックスなどでも配信している。同月18日、コミック最新の12巻も発売された。