元「ザマ時計店」店主・座間さんが自作の無線送受信機やデジタル時計など展示

3年前に閉店した池田町池田の「ザマ時計店」店主、座間亘さん(89)は、店舗だったスペースを活用し、これまでに自作した無線送受信機やデジタル時計などの展示を始めた。半世紀にわたるものづくりの歩みを自由に見ることができる。
座間さんは中学時代から無線が好きで、松商学園高校(松本市)では無線部の活動に熱中。「熱心な顧問との出会いが原点」といい、卒業後も時計店の3代目として働きながら趣味で、無線に限らず電気機器の製作を続けてきた。
基盤から作った無線の送受信機は、部品を東京・秋葉原まで買いに行き、何度も試作や試験を繰り返して完成させた。自身の回路図が掲載された1980年代の無線業界誌も展示している。
70年代のデジタル置き時計は、真空管や集積回路(IC)を組み合わせ、LEDで時刻部分が光る仕組み。国内でまだデジタル時計が一般に流通していなかった時に1年ほど実験を重ねて自作した。「メーカーで開発する時計とはもちろん違う仕組みだと思うが、素人なりに何でも考えて作ってみるのが好き」
座間さんの創作意欲と好奇心は多岐にわたる。アルミパイプ製のパラボラアンテナや、オーディオ機器、スチールギターなどの自作品も展示し、趣味の風景写真が壁を彩る。
週3回デイサービスに通うが、「まだまだ元気。好きなことにずっと熱中してきたからかも」と笑顔。「町の小さな店にも技術屋がいるんだということを知ってもらえたら」
火・木・土曜休み。来る前に要連絡。TEL0261・62・2229