松本市出身の女優、花岡すみれさん(21、神奈川県)が、活躍の場を広げている。2019年にテレドラマでデビューし、21年に舞台、24年に映画となった「水深ゼロメートルから」にメインキャストとして出演。19日に始まる日曜劇場「御上先生」(TBS系)の出演者にも名を連ねる。
「松本で育ったことは私の誇り」
女優の道へ進んだきっかけは、14年に塩尻市で開かれた「塩尻四宿400年祭」の催しの一つ「皇女和宮(かずのみや)御下向(ごげこう)行列」への参加。開智小5年生だった花岡さんの姿が、芸能事務所「レプロエンタテインメント」(東京)関係者の目に留まりスカウトされた。
いろいろな役を演じ分ける俳優という仕事に憧れていたこともあり、「チャンスかな」と同事務所入りを決断。週1回、レッスンを受けに東京へ通った。「演技をしていると、はっちゃけられる。非日常的な感覚が面白い」
信州大附属松本中学から都内の高校に進み、2年生だった19年にドラマ「カカフカカ─こじらせ大人のシェアハウス」(MBS)でデビューした。
舞台、映画となった「水深ゼロメートルから」には、どちらも女子高生、ユイ役で出演。舞台について「緊張したが、反応をじかに感じられる」と魅力を話す。
映画は、現代の女子高生について、監督や出演者らみんなで話し合いながら完成させた。「ターニングポイントとなった作品。友人や知り合いが見てくれたほか、祖父母の家がある長野市でも上映され、母と私の夢の一つがかなった」
19日からの日曜劇場「御上(みかみ)先生」は、松坂桃李さん主演。花岡さんは、大学法学部を目指す勉強好きのアニメオタク、遠田祥子役で出演する。当初は、「足を引っ張らないようにしようと思っていた」というが、「スタッフ、キャストの意気込みを聞き、一丸となって高いクオリティーの作品を世に出したいという気持ちになった」と力を込める。
中学生まで国宝松本城近くで暮らした。足が速く、体を動かすことが好きで、山に行ったり、女鳥羽川で遊んだり。「お堀の周りで、桜の花や紅葉を眺め、井戸水を飲みながら通学した。今思うとすごくぜいたくですね」
松本で伸び伸びと育ったことで、自分の性格がつくられたと感じるという花岡さん。「地元の人に喜んでもらえるのはすごく励みになる。松本で育ったことは私の誇り。疲れた時は帰って自然の力を借り、これからも頑張りたい」
今後の抱負を聞くと、「これまでは落ち着いた雰囲気の役が多かったけれど、小さいときの私のような元気な役や高校生以外の役にも挑戦したい。松本でのロケ作品があれば出たいですね」と目を輝かせた。
【プロフィル】はなおか・すみれ 2003年生まれ。これまでにドラマ「ハケンの品格」(20年、日本テレビ系)、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」(22年)などに出演した。趣味はエレキギターと殺陣。好きな食べ物は、はんぺん、ちくわなどの練り物。目標の女優は二階堂ふみさん。