塩尻市の社協就労支援事業所 すみれの丘 「ハックルベリージャム」販売 新たな定番商品に

ジャムを新たな定番商品に─。塩尻市広丘野村の市社会福祉協議会就労支援事業所「すみれの丘」(略称・すみれ就労)は、新規事業として瓶詰「ハックルベリージャム」の販売を始めた。同所の定番商品「すみれこんにゃく」に並ぶ収入の柱にして、利用者の安定した工賃に結びつけたいと力を入れている。
ハックルベリーの実はブルーベリーに似ているが、生食できない。アフリカ原産のナス科植物だ。虫が付きにくいため消毒不要で栽培が容易。数年前から同所の販売野菜用農園の一角で育て、ジャムを手作りしてきた。ただ、設備の問題からプラスチック容器入りしか作れないため保存期間が短く、販売が広がらなかった。
管理サービス責任者の西澤かをりさんは「野菜販売も事業所収入の一つだが、近年の猛暑で、作業する利用者たちの体調が心配な状況だった」という。代わる物を模索する中で、ハックルベリージャムを長期保存が可能な瓶詰にできないかと考えた。「市内の休耕地を借りて栽培量を増やし、売り上げ増につなげれば、工賃アップの土台になる」
瓶詰めの工程をジュース・ジャム製造の矢沢加工所(同市下西条)に相談した。同所が昨年、完全塩尻産のエルダーフラワーシロップ作りに取り組んだ際、すみれ就労は洗浄、茎切りなどの準備作業を受託し、農福連携ができていた間柄。積極的な協力で、レモン汁入りの爽やかなジャムに仕上げてくれた。
ハックルベリーは目によいアントシアニンが含まれ、生活習慣病予防の効用もあるとされるため、現在、科学的根拠確認を専門家に依頼しているという。「パンやクラッカーに付けても、ケーキに練り込んでもおいしい。珍しいので贈り物にもできる」と西澤さん。
140ミリリットル入り800円。すみれ就労のみで扱うが、いずれは道の駅やマルシェ会場などに販路を広げる方針だ。問い合わせは同所TEL0263・87・4012