絵師描いた県内名所 松本の日本浮世絵博物館 木曽宿駅題材の作品メインに

松本市島立の日本浮世絵博物館は、企画展「浮世絵でめぐる信州」を開いている。木曽街道(中山道)の宿駅が題材の3シリーズを主に、県内の名所・旧跡を描いた浮世絵を並べている。前期は2月9日まで、全作品を入れ替えた後期は同11日~3月23日。
「木曽街道」シリーズには、渓斎英泉(けいさいえいせん)と歌川広重が作画した名所絵の「木曽海道六拾九次」、宿駅に縁のある人物や、宿駅名と関連づけた物語の場面を歌川国芳が描いた「木曽街道六十九次」、その地の名所に関連する役者を、街道の風景を背景に描いた歌川国貞による「木曽六十九駅」がある。
前期は日本橋(東京)から和田宿(長和町)までのいくつかを取り上げ、各シリーズを並べた宿駅もある。
諏訪湖越しの富士山の眺めを、葛飾北斎と広重がそれぞれに作画した作品も展示し、「絵師の表現の方向性も比べられる」と同館学芸員の五味あずささん。
同シリーズ以外でも信州の名所は浮世絵に描かれ、江戸の人にもなじみ深い地方の一つとして知られていた様子がうかがえるとし、「今も残る場所も多いので、見比べも楽しいのでは」と話す。
午前10時~午後5時。月曜(祝日の場合は翌平日)休館。観覧料千円。中高生と大学生500円。1月18日と2月15日の午後2時から、五味さんによるギャラリートーク(申し込み不要、要観覧料)がある。同館TEL0263・47・4440