「移動する民」を表現 土偶や空間展示など220点 松本で1月26日まで 中信の芸術家グループ「GR19」展

中信地方の芸術家グループ「GR19(galaxy route nineteen・ギャラクシー ルート ナインティーン)」による「移動する民」をテーマにした展覧会が1月26日まで、松本市のマツモトアートセンター(大手1)などで開催中だ。土偶や空間展示など約220点を展示している。
ライチョウ型土器の船に乗り込んだ難民をモチーフにした土偶や、移住先を求める生物を大胆な発想で描いた絵画、「お船祭り」をモチーフにした長さ約8メートルの船など、3階建てビルの1階から屋上までを空港に見立てて構成している。アートスペース「kulwa(クルワ)」(深志3)には、木曽に滞在して作品展を開いたイギリス人作家2人の絵画などが並ぶ。
GR19は、木曽を拠点にしたアートプロジェクト「木曽ペインティングス」から派生し、岩熊力也さん(55、木曽町日義)、奥野宏さん(40、大桑村)、中條聡さん(30、松本市)の3人が2023年に結成。
「移動」という視点で地域を捉えるプロジェクトを展開し、展覧会は3部作で今回が2作目。北九州発祥で海を移動し、安曇野に移り住んだとされる「安曇族」について福岡県で調査したり、気候変動などで生息地を追われるライチョウをテーマに、地元の中学生と土器を制作したり。地球の来歴と未来を表現している。
岩熊さんは「自分たちはどうなっていくのか、地球や生物の未来について考えながら、見てもらえれば」。会場で公式ガイドブックも無料配布している。
午後1~7時。入場無料。会期中無休。問い合わせは主催の木曽ペインティングス事務局℡050・3700・5277