
松本市里山辺の市教育文化センターの階段が、1月末まで「ピアノ階段」になっている。上り下りすると「ド、レ、ミ、ファ、ソ…」とピアノの音が流れる仕掛けで、来場者を楽しませている。
1階と2階をつなぐ階段(全23段)の一段一段にセンサーを設置し、段を踏むとセンサーが反応して音が流れる仕組み。同時に、階段脇に設置した青や赤などのライトも点灯する。
企画者は松本県ケ丘高校探究科2年の森遥紀さん(17、同市惣社)。森さんは「階段を健康促進のツールとして活用できないか」という課題に取り組んでおり、昨年10月には、JR松本駅お城口(東口)の階段を「投票式階段」にして、人々を隣接するエスカレーターから階段へ誘導する実験をした。
今回のピアノ階段は、階段を楽しくすることが主な目的だが、その裏に「健康促進につながれば」との思いもある。
「高校生の学びを応援したい」と、市教育委員会が同センターへの設置を承諾。森さんの取り組みに賛同した新潟市内の企業が機器を無償で提供し、昨年12月中旬に設置した。
森さんが週末の利用者の様子を調べたところ、母親に抱かれていた幼児が降りて階段を使ったり、小学生が階段を往復して楽しんだりする姿が見られた。
森さんは「ピアノ階段は市民の健康促進につながる可能性がある。導入が増えたら面白い」と話した。