花こう岩で地元の地形知る 松本教文センターが信大連携講座

松本市教育文化センターは1月18日、信州大の教員が講師を務める「信大連携サイエンスカレッジ」の本年度4回目を開いた。北アルプスや上高地などの形成過程を研究する原山智・理学部特任教授(71)が「世界で最も若い年代の花こう岩」を見せ、子どもを含む参加者30人が、地元の地形の成り立ちを学んだ。
地球の第四紀(259万年前~現在)に形成された花こう岩は、現時点で世界で六つ、地表に露出したものが見つかっており、このうち北アで採取された「滝谷花崗閃緑岩(たきだにかこうせんりょくがん)」と「黒部川花崗岩」、パキスタン・カラコルム山脈の「タトゥー花崗岩」を教材にした。
参加者は岩を持ち上げたり、顕微鏡で観察したり。原山特任教授は岩石などを調査し、そこから歴史をひもといていく面白さを、写真や動画を交えて伝えた。
近所で拾った石を同特任教授に見せた塩尻市の八幡航平さん(10)は「石はいろんな模様や色があって面白い」。同センターの一ノ瀬浩子・科学博物館長は「自分たちが住んでいる場所の、生い立ちに興味を持ってもらえたら」と話した。