大型クジラ化石発掘テーマ 2月15日信大山田教授が話す

市民文化講座の第222回「サロンあがたの森」は2月15日、松本市あがたの森文化会館で開く。信州大理学部の山田桂教授が、秋田県能代市で2020年に発見された体長16メートルほど(推定)の大型クジラについて、試行錯誤しながらの発掘調査や研究のポイントなどについて話す。
タイトルは「大きさなんて関係ない!?小さな化石の研究者が大きなクジラの化石を発掘しました」。
貝形虫という体長1ミリ以下の生物の化石から過去の気候変動などを研究する山田さん。地質調査で訪れた能代市の山中で、共同研究者がクジラの化石の先端を発見したのをきっかけに、専門とは全く異なる大型化石の発掘調査を担ってきた。
他大学や関係機関と協力し21年から発掘に着手。大きな化石の搬出、費用捻出などに苦労しながら活動し、24年にはクラウドファンディングを行った。発掘は今年、見えている背骨を取り出して終わる予定だ。
山田さんによると、クジラは300万年前ころから大型化した。能代のクジラは270万年前で「大型化した初期のころ」。今後は計測や他の検体との比較分析を行い「なぜ大型化したのか、どこが大きくなったのか」などを解明したいという。サロンの来場者からも「大型化の謎を解明するためのアイデアや発想を出してもらい、議論できればいい」と期待する。
当日は、発掘した2メートルほどの肋骨(ろっこつ)1本を展示する予定。
午後1時半~3時半、参加費200円。電話での申し込みが必要。旧制高等学校記念館TEL0263・35・6226