
アジア人女性のためのコンテスト「アジア・シュープリーム・ページェント(ASP)」の地方大会が6月、松本市内のホテルを会場に開かれることになった。県内初開催。2月末まで出場者を募っている。
招致したのは、昨年の世界大会のミセス部門(20~45歳)で最上位「グランドチャンピオン」に輝いた石吾(いしご)瞳さん(45、南箕輪村)。小学生の子ども2人を育てる母親だ。
主婦として家族や家庭に目を配る一方で、自分のことは二の次だった石吾さんが、「自分も成長したい」と一念発起。外見だけでなく内面の魅力も磨く場であるASPに参加することで、大きな「自信」を育んだ。「日常の見え方が変わった。県内の女性にもぜひ経験してほしい」と力を込める。
女性輝かせ子ども幸せな社会に
女性が参加するコンテストは近年、見た目で人を判断する「ルッキズム(外見至上主義)」としてしばしば批判を受ける。だが、アジア・シュープリーム・ページェント(ASP)は、外見の美だけを競うコンテストではないことを、日本大会を主催するASPジャパン(東京)は強調する。
そのホームページには「社会貢献とは何か、内外面の美とは何か、本来の幸せとは何か、それらを見つけることができるプラットフォームでありたい」とつづられている。
女性がそれらを獲得するためには「自信を取り戻し、自分という人間を尊び、唯一無二の存在であると自覚する」ことが必要と主張。コンテストを通じて社会に向き合う強い心、東洋の女性が持つしなやかさ、優しさ、賢さ、独立心などを磨いてほしいとの願いが記されている。
小学6年生と2年生の子を持つ石吾瞳さんは、まさに大会出場で自信を取り戻し、自分のやりたいことを見つけ、子育てと並行して社会と新たな関わりを持ち始めた一人だ。
ミセスコンテスト初挑戦は2020年。楽しくて大好きな子育てに苦しさを感じ始めた時、「変化がほしい、成長したい」と「ミセスジャパン」というコンテストに挑んだ。
この大会では大きな結果を残せなかったものの、その後にコンテストの運営を手伝うなど、活動の幅を広げ始める。そして昨年、「成長した自分でもう一度チャレンジ」とASPに参加。世界の舞台に立ち、最高の評価を得た。
石吾さんはコンテストで内面を深く見つめる中で、「子どもを笑顔にしたい、子どもが幸せになる社会にしたい」という、今後やりたいことを明確にした。その一歩目が松本大会の開催だ。
「コンテストに挑戦し始めてから、子どもの笑顔が増えた。それは私の物事の見方が変わり、子どもへの接し方が変わったから」と石吾さん。「昨年の国内大会に県内から参加したのは私1人。長野の人がASPに気軽に参加できる環境をつくりたい」
まずはASPを知ってほしいと、今月15日午前10時から、松本市のまつもと市民芸術館でドレス試着会とランチ会(参加費4千円)を開く。ドレスは石吾さんが用意し、大会の体験談も話す。
「同調圧力が苦手で、学校生活を楽しいと思えない“ちょっと変わった子”だった」と打ち明ける石吾さん。コンテストは自分を大切にし、相手を受け止める人たちの集まりだったという。「ASPが目指すような女性が増えたら、子どもにとって幸せな社会になるのでは」と目を輝かせる。
【アジア・シュープリーム・ページェント】2014年にマレーシアで始まり、25年日本大会は9都市で地区大会を開催。各地区上位者による全国大会を8月に大阪市内で開き、世界大会出場者を選ぶ。
ミスミセス(20~45歳)、クラシック(46~79歳)の2部門。既婚、未婚、子どもの有無、身長、体重などは問わない。
長野大会は6月27日、松本市のホテルブエナビスタで。参加者は4~6月にウオーキングとスピーチのレッスン(各2回ずつ)などを受講する。申し込みは2月末までにASPジャパンのホームページから。
ドレス試着会は今月8日に伊那市内でも開催。詳細はASPジャパン長野のインスタグラムなどに。問い合わせはメール(aspjnagano@gmail.com)で。