
木曽町福島の木曽青峰高校近くにある「雑貨屋ito(いと)」。店主の竹原紀子さん(40)が開いた生活雑貨と洋服の店だ。かつて両親が営んでいた文房具店の倉庫を自ら改装して営み、3月で3年目を迎える。長年の夢をかなえた空間だ。
白い壁を基調とした店内には、竹原さんの手作りアクセサリーや好きなネコをモチーフにした雑貨、多肉植物や一点物の洋服などが並ぶ。洋服の直しにも対応する。
特に人気なのが、子育て中の母親の要望を聞いて竹原さんが手作りする子ども服やスタイ(よだれかけ)だ。ユニークな絵柄のブランド「stample」の靴下、天然素材を扱う「アトリエヌイ」のコットンバッグなどを求め、郡外から来る客もいるという。
木曽山林高校(現木曽青峰高校)インテリア科を卒業し上京。服飾専門学校を経て、友人が営む雑貨店で20年ほど働いた。大きくなる「自分の店を持ちたい」との思い。東京での開業も考えたが、実家では母が1人暮らしをしている。15年ほど前に閉めた文房具店の倉庫を活用したいと考え、帰郷した。
子どもの頃から雑貨好きだったが町内に店がなく、伊那市や松本市まで行っていたため、「木曽に雑貨店があれば喜んでもらえるかも」という思いもあった。“持っていて気分が上がるような雑貨”を集め、2023年3月に開店した。
離れていた古里での開店に不安もあったが、住民との交流が生まれ、アクセサリー作家としての活動も広がった。24年には「木曽の手仕事市」に出展したほか、町内のコワーキングスペース「ふらっと木曽」で手作りアクセサリーのワークショップも開くようになった。「地域に感謝し、今後も丁寧にこつこつ続けていきたい」
午前10時~午後6時。月曜定休。TEL080・7693・5132。店のインスタグラム=こちら。