
信州に魅せられて東京から移住し四季折々の風景を描いた画家・桂重英(しげひで)さん(1909~85年)の作品を展示する松本市里山辺の「桂重英美術館」は2月9日、桂さんの没後40年を記念し、命日に館内を無料開放する。早春の北アルプス連峰や秋の里山風景、落葉したケヤキの大樹など風景画23点を展示している。
早春の北アルプスなど風景画展示
桂さんは新潟県新発田市出身。芸術家を目指した後、都内でデザイン事務所を営んだが「山を描く美術に専念したい」と、56歳で里山辺に移住。75歳で逝去するまで自宅兼アトリエで制作した。
美術館は2002年、遺族が「気軽に作品を見てほしい」と自宅の改築時に開館した。観覧は予約制で、次女でフルート奏者の矢崎聰子さん(55)や妻の春美さん(87)が対応している。
現地で描くことを大切にし、冬にはストーブも持ち出していたという桂さん。常に同行していた春美さんは「一枚一枚に思い出がある」。矢崎さんは「館内や近所には作品に描いた風景が今も残っている。それを愛した画家がいたことに思いをはせてもらえれば」と話す。
午前10時~午後4時。予約不要。問い合わせは同館TEL0263・25・6419