障がいがある子どもとその家族「まめまめの会」設立2年 居場所づくり交流の幅広げて

地域の中でずっと暮らしたい─。そんな願いを込めた、主に障がいがある子どもとその家族でつくる任意団体「まめまめの会」が、設立から2年を迎えました。共同代表の入山綾子さん(39、塩尻市広丘堅石)に、立ち上げの経緯や活動の様子について聞きました。

地域との関わり大切に

★スタートは「居場所づくり」から
重度心身障がい児のための療育園で出会った入山さんと、同じく共同代表の岡沢あさみさん(43、松本市蟻ケ崎)。入山さんは脳性まひの長女(10)を、岡沢さんは先天性の難病がある長男(11)を育てていて、日常的な医療的ケアや介護などの悩みを共有し合っていました。
そんな2人の不安は、子どもが地域の人との関わりがないまま大きくなってしまうことでした。「重い障がいがあると地元の保育園や学校には入れない。地域の中で暮らせていないのではないか」
当時は重度心身障がい児のための放課後デイサービスが近くになく、わが子が小学生になった時のことを考えると心配でした。そこで松本市のアルプス福祉会(寿豊丘)に働きかけ、放課後デイ「えだまめ」(寿台)が2023年に開設されました。
まめまめの会は、そうした悩みを抱えた家族が集い、「まずは居場所づくりから」と活動を始めたのが始まりです。地域の人を招いた「まめまめまつり」、家族が福祉や介護について学ぶ勉強会、ハロウィーンやアウトドアのイベントなどを開いたほか、他の福祉団体や子育て団体とつながる機会を見つけて交流の幅を広げました。
こうした“まめにこつこつ”活動を続けて、会員は現在、塩尻、松本、木曽地域の22家族と支援する人を合わせて34人に広がりました。子どもたちは1歳から高校2年生までいます。
★次の目標は生活介護事業所の設立
入山さんらは昨年5月、社会福祉法人「アンサンブル会」(松川町、小椋年男理事長)が運営する伊那市の事業所を視察しました。自然あふれる広大な敷地の中で、さまざまな障がいのある人たちが製品作りや、地域に開かれたカフェを運営しています。地元の人たちと緩やかにつながりながら、社会参加と自立を目指す取り組みは、まさに自分たちの理想でした。
「養護学校を卒業した後に進む生活介護事業所が少ない。塩尻市にあったら」。そう考えていた入山さんらは、小椋理事長に同市での設立を訴えました。熱意は届き、同会が発起人となって「アンサンブル塩尻(仮称)」を同市近郊に設立する計画が始まっています。
入山さんは「普段は関わることがないかもしれないけれど、地域には重い障がいがある子どもも住んでいること、将来親がいなくなっても住み慣れた場所でずっと暮らし続けたいと願っていることを知ってほしい。これからも障がいのある子どもたちが安心して生活できるよう、活動を継続していきます」と話しています。
問い合わせやイベントなどは同会のウェブサイトで。