池田町の会染小4年生・池田小3年生 特産品生かし菓子考案

会染小4年(写真上)と池田小3年の児童

店頭に並んだら…企業が協力

池田町の2小学校の児童たちが、町の特産物を生かした新しい菓子を提案している。
「みんなで考えたかいがあった」「おいしいスイーツ商品になったね」「あちこちで売れるようになったらいいな」…。
4日、会染小学校の公開参観日。4年生(36人)は、訪れた大人たちの前で、取り組んできた「商品づくり」を発表した。業者の協力で完成したクッキー「会染ハックルクッキー」と、まんじゅう「会染ずんだーマン」をお披露目。みんなで試食した。
池田小学校では、3年生(2学級39人)が同様の取り組みをし、みんなで考えた「おばけのクッキー」と「ガーデンハックルベリープリン」の完成を待っている。21日の公開参観日には、業者が実物を持参し、保護者も交えて味わう予定だ。

ハックルベリーずんだなど活用

池田町会染小学校の4年生は3年時に、自分の住んでいる町について学びを深め、「町の特産を使った商品が作れたら」という意見が出るまでになった。
4年生になると「町の在来品種『桜仙郷あずき』でスイーツができないか」「ハーブの町だから、ハーブ入りのお菓子は?」など具体案が出始めた。
一方、「子どもたちが考えた品を製品化したい」と考える企業もあった。安曇野市明科中川手の食品会社「辰巳」だ。
同社総合マネージャーの蜷川利明さん(65)は、かつて南安曇農業高校の生徒と、リンゴを使った台湾カステラを開発した経験がある。「子どもたちは発想が自由。どこかの学校が取り組んでくれたら」と、町教育委員会へ提案していた。会染小の活動を知った蜷川さんはその後、足しげく同小へ通った。
昨年秋、児童から4品が提案された。「桜仙郷あずきの大判焼き」「桜仙郷あずきのまんじゅう」「ハーブクッキー」、町の名所の七色大カエデにちなんだ「七色ゼリー」。
魅力的な案だが、蜷川さんは「実現は難しい」と感じた。「桜仙郷あずき」は在来種で、商品化するほどの量を確保しにくいとの判断だった。
そこで蜷川さんは、枝豆をすりつぶした「ずんだ」の活用を児童たちに提案した。町が今後、枝豆を特産にしようとしている現状を踏まえての案だった。
また、町内では2年ほど前から、ナス科植物のガーデンハックルベリーの生産が活発になっていた。「生産者の会」会長の瀧澤洋子さん(82)は「血行を良くするというアントシアニンが多く含まれる。町全体に広めたい」と意欲満々だ。
蜷川さんは児童たちと協力し、ずんだのまんじゅうと、ガーデンハックルベリーとラベンダーを練り込んだクッキーの開発を推進。児童たちがそれぞれ「会染ずんだーマン」「会染ハックルクッキー」と命名した。
児童らは、宣伝用のキャラクターやシールなども考案。今月4日の参観日に、親たちと完成品を試食した。母親の一人は「商品開発と言い出してから、本当にここまでやるとは」と、驚きつつも笑顔で味わっていた。
担任の商木仁志さんは「学びを通じて、子どもたちが町をより好きになってくれれば」と話していた。

クッキーなど2品2月21日完成予定

池田小学校でも、蜷川さんの支援を受け、児童たちの案を基に商品開発が進められた。「おばけのクッキー」と「ガーデンハックルベリープリン」で、2月21日に出来上がる。
クッキーを考案した後藤遥さん(9)は「中にハーブのシロップが入っている」。プリンは西村淡(あわい)さん(8)が「プリンにガーデンハックルベリーのソースをかけた」と説明する。
3年1組担任の澤田賢人教諭は「校内だけではできない貴重な体験ができた」。2組担任の橋渡憲明教諭は「将来、ものづくりや商品開発に携わる子が出てくれたらうれしい」と手応えを語った。
販売は、両校の商品とも、蜷川さんが県内のスーパーマーケットなどと交渉中という。