
攻守切り替え意識高く
リーグ開幕から1週遅れで初戦を迎えた松本山雅FCは、アウェーでアスルクラロ沼津と引き分けた。4季目のJ3で白星スタートを切れなかったのは初めて。最初の真剣勝負で見えた課題を受け止め、過去3季は果たせなかったJ2昇格への道筋を固める糧にしたい。
敵地にサポーター3千人 大音量で鼓舞
会場は、昨季リーグ戦の最終節と同じ場所。前回は、昇格プレーオフのホーム開催を懸けて臨んだ一戦で、1─0の勝利を後押ししたファン・サポーターは、クラブ発表で2700人だった。
3カ月後に、それを上回る3千人が詰めかけた。観客席の半分近くが緑で埋まった印象さえある。大音量のチャント(応援歌)でチームを鼓舞した。
2季続けて主将を務めるMF菊井悠介は「感極まるものがあった。またこの人たちのために1年間と思った」と、試合前の胸の内を振り返った。
キックオフからチームは期待に応えた。今季の命題とする「攻守の切り替えの早さ」への意識の高さを見せて、主導権を握る。後半11分のMF村越凱光の先制点までは理想的だった。
その攻守の切り替えの虚を突かれるような失点だったのは皮肉だ。ボールを奪って攻めにかかった直後、相手のはじき返したボールがたまたま絶妙な縦パスに。山雅のDF陣は戻りきれず、相手FWにGK大内一生との1対1を決められた。
初陣を飾れなかった早川知伸監督は「難しい状況だったが、予想できないのは準備に問題がある」と指摘。DF野々村鷹人は「初戦で出てよかった。集中力を高めたい」と表情を引き締めた。