松本市高宮中の映画館「松本シネマライツ」の敷地内で、週末と祝日にキッチンカーが営業している。同館を運営する株式会社北原が、同じ敷地内のイトーヨーカドー南松本店が閉店して寂しくなったと感じ、キッチンカーの事業者に声をかけたのがきっかけだ。
今月中旬、2台のキッチンカーが映画館の入り口に並んだ。ケバブを販売する牟禮(むれ)和貴さん(28)は「イトーヨーカドーは子どもの頃からの思い出の場所。なくなって寂しい。キッチンカーで少しでもにぎわいのある場所にできたら」と話す。特定のキッチンカーではなく、さまざまなメニューの1～3台が交代で営業している。
現在は、平場の駐車場だけ使えるようになっている。買い物客はほとんどなく、映画を見に来る人だけになったはずだが、それでも車は多い。同館マネジャーの北原涼子さん(39)は、キッチンカーを「映画を見に来る時の楽しみにしてもらいたい」といい、「南松本を盛り上げたい。これから楽しんでもらえるイベントなども企画する予定」と話している。