才能教育研究会 東会長音楽教えることの思い語る

才能教育研究会(本部・松本市)のスズキ・メソード松本支部は2月14日、昨年8月に同研究会会長に就任した東誠三さん(62、東京都)の講演会を開いた。講師や保護者ら40人ほどが参加した。
東京音楽大出身の東さんは多くの国際コンクールで入賞経験があるピアニストで、東京芸術大教授、東京音大特任教授を務めている。
5歳の時に父親の転勤に伴い引っ越した松本でスズキ・メソードと出合った。「先生方に練習の方法を明確に教えてもらえたこと、世界の名演奏をたくさん聴いたこと、海外演奏旅行の機会をもらえたことが本当に良かった」と振り返り、小学5年で東京に戻った後も隔週で松本に通って練習を重ね、東京音大付属高校に進んだ。
スズキ・メソードピアノ科の特別講師でもある東さんは、保護者からの「子どもがうまく弾けない時にどう支えたらいいか」という質問に、「口で練習しなさいと言うのではなく、家の中にいい空気をつくるのが大事」などとアドバイス。「音楽をやっていると氷が解けるように疑問がすっきりする『氷解』や、外からの刺激で心が深く動く『感応』ということが起こる。教えることは興味深く、生徒さんたちの笑顔が見られる瞬間を少しでも多くつくっていきたい」と話した。