
日本建築家協会関東甲信越支部長野地域会は2月22、23日、「建築祭」を松本市美術館で開いた。19回目。県内で建築を学ぶ大学生や専門学校生、高校生が制作した卒業設計作品計42点を展示し、一般投票と専門家による審査で優秀作品を選んだ。
23日は公開審査が行われ、模型やパネルなどで構成した作品を出展者が審査員に説明し、質疑応答を行った。
大学生の部は、能登半島地震の被災地・輪島市の復興を目指した分散型の災害公営住宅や、塩尻市の銭湯「桑の湯」をモデルにした、街と高齢者を結ぶ再生計画など12点が発表された。
再開発が進む福井市の福井駅前をモデルに、「音楽が響き流れる共鳴空間」というテーマで取り組んだ磯部菜摘さん(22、信州大工学部4年)は「外部の人に意見をもらえるのは貴重な経験。自分では見つけられなかった部分のアドバイスもあり、もっと視野を広げて建築と向き合いたい」。
主催の同会副代表で倉橋建築計画事務所(松本市野溝木工1)の小宮山吉登代表は「学生の新鮮な考え方が面白く刺激をもらった。人が集まってつながっていく場所が、建築や設計でつくれる面白さを感じてほしい」と話していた。