
松本山雅FCのホーム戦運営などを手伝うボランティア組織「チームバモス」も、新シーズンに向けて準備を進めている。クラブ創設60周年の今年は、バモスにとっても本格的な活動開始から20年。代表が代わり、メンバー募集にも力を入れる。
明けましておめでとうございます」。2日、バモスのメンバーが今年初めて、サンプロアルウィンの会議室に集まった。16日のAC長野パルセイロ戦から始まる今季の業務について、話し合うためだ。
ミーティングにはクラブ運営会社の担当者も参加。業務や意識を擦り合わせた。最後にバモスのメンバーがグループに分かれて話し合い、初仕事に向けて課題を洗い出した。
バモスの仕事はチケットの確認や場内外の案内、グッズ販売など多岐にわたる。観客と最前線で接する“山雅スタッフ”として、昨季からの変更点は、気を遣う。この日は特に、瓶や缶飲料を移し替える紙コップが、今季から総合案内所での有料販売になることを周知徹底してほしいと、クラブ側に要望する声が相次いだ。
バモスは、山雅が北信越リーグ2部にいた2004年に発足。翌年から本格的に山雅の試合運営を手伝い、クラブと共に急成長。J1に初昇格した15年前後には、ボランティア登録者数が350人を超えた。チームの不振にコロナ禍が重なり、一時は260人台に減ったが、昨季は289人まで持ち直した。
現在は、いっそうの人数回復や若返りが課題に。今年は体験ボランティアで携われる業務の種類を増やし、楽しさをより知ってもらう方針だ。SNS発信を強化したいと、若手担当者の募集にも力を入れる。メンバーだけが購入できるグッズも初めて企画し、リストバンドを作った。
安曇野市の大学生、柳澤新(あらた)さん(20)は「昨年、試しにやって楽しかった」と今季も参加。「バモスのみんなが温かく迎えてくれた。サポーターに『ありがとう』と言ってもらえるのがうれしい」と、やりがいを口にする。もともとサポーターだが、ボランティアで試合観戦できないのは「不思議と気にならない」。
田村一明さん(71、諏訪市)は今季から参加。以前から観戦時のサンアルの雰囲気が好きで、退職を機に「やれることをやりたい」と考えたという。この日の説明会で「活動時間を教えてもらい、駐車場もあると分かった。けっこうやれそう」とほほ笑んだ。
「友愛」でよりよいスタジアムに
4代目代表●田賢司さん
今季からバモスの4代目の代表に就いた●田賢司さん(52、安曇野市)は、バモスの合言葉「また来たいと思えるスタジアムづくり」のために「友愛」をテーマに掲げる。
2007年からサポーターで、山雅後援会の安曇野支部の立ち上げに携わり、支部長も務めた。バモスは21年から参加し、コロナ下で人手不足だった時を含めて「『何でもやろう』と、業務の隙間を埋めてきた」。積極的だが人当たりは柔らかく、参加5年目でリーダーを務めることになった。
「バモスにはいろんな人がいる。80代のおばあちゃんが率先して物を運んでいて『負けていられない』と思える。よりよいバモス、スタジアムにしたい」と話す。
●吉の士が土