
「さあ始まりました四賀小FM、『君の好きなこと』…」。松本市の四賀小学校(児童116人)で毎週火曜日の休み時間に校内放送で流れるオリジナル番組は、6年生で児童会長の瀧澤喜久実さん(12)がパーソナリティーを務める。「全校みんなが楽しめる番組に」がモットーだ。
事前準備しゲストと会話
ラジオ番組を模した「君の好きなこと」の放送は10分間。児童や教師から出演者を募り、ゲストの「好きなもの・好きなこと」をテーマに話を展開する。緊張して番組中に話せなくなる子がいないように事前にインタビューし、内容をまとめたシナリオを準備して臨む徹底ぶり。ゲストも安心して出演できる。
「私もみんなも、年齢や趣味が違ういろいろな人のことが知れる。番組を通して仲良くなれて楽しい」と瀧澤さん。休み時間に読書などをしている子にも配慮し、優しいトーンの声でしゃべるよう心がける。
学校に直談判して始動
瀧澤さんは4年生の時に、ラジオで「推し」のアイドルが出演する番組を聞いたのがきっかけで、さまざまな番組を聞くようになった。「ラジオは、話す人の声によって癒やされたり、いろいろな情報が知れたり。いいことずくめ」とすっかりはまった。
「興味を持ったら実際に挑戦したくなる」という瀧澤さん。「ラジオ番組をやらせてください!」と学校に直談判し、校長にプレゼンテーションをして許可を得て、2月に番組を始めた。
将来の夢はむろん、ラジオのパーソナリティーかと思いきや、「スタイリストになりたい」。総合学習の時間に取り組んだ劇で、衣装を担当したのがきっかけだ。「やりたいこと、興味があることは何でもやってみたい」。番組の方は4月から進学する中学校でも続けたいと、意気込んでいる。