戦後80年食卓の風景 豊科郷土博物館で春季企画展

安曇野市の豊科郷土博物館は5月18日まで、春季企画展「食卓の風景 食と家族の80年」を開いている。戦後から現在までの献立、家族の座る位置など、特徴的な食卓の様子を年代を追って紹介。関連企画として3月23日、同市の民俗学者で、元跡見学園女子大教授の倉石あつ子さんの講演会を開く。
展示しているのは、「戦後すぐ」「1955年頃から」「65年頃から」など11の年代の食卓。「戦後すぐ」は、いろりを囲んだ食卓で、箱膳。家長制度がまだ残り、家長(祖父、父)など座る位置がきっちり決まっていた。メニューも質素で、ご飯に汁物、つくだ煮が膳にのる。丼に入った煮物などは、家長から回したという。
その後、いろりから飯台、テーブルへと変化。献立も品数が増えたり、洋風のメニューが並んだり。最近の個食、孤食も取り上げ、食の変化から家族の形態の変化も見える展示になっている。
学芸員の宮本尚子さん(53)は「食、家族をあらためて考える機会になれば」と話す。
倉石さんの講演会は23日午前10時~11時半、近くの市豊科公民館(入場料100円)。この他にも開催期間中、ワークショップ、ギャラリートークなどを予定している。
企画展は午前9時~午後5時。観覧は高校生以上100円で、中学生以下と安曇野市在住の70歳以上、障がい者と付き添い1人は無料。月曜、祝日の翌日休館。℡0263・72・5672