中高生の悩みをサポート 大学生と社会人4人が開く「ポラリススクール」

恋バナにゲーム…目的は何でも時間を共有「心の距離」縮めて

松本大総合経営学部1年の丸山海斗さん(21、松本市里山辺)ら大学生と社会人の計4人が、中高生の不安や悩みを聞く場「ポラリススクール」を不定期で開いています。「遠く輝くポラリス(北極星)を、自分の夢や人生の道しるべにしてほしいとの願いを込めた。でもそんな大げさなことでなく、普段交わらない人たちが語り、話す場になればいい」といいます。
ポラリス|は2024年8月に始動。昨年12月の3回目は安曇野市穂高の「安曇野さんさんハウス」で開き、中高生とその母親、子どもに関わる仕事をしている市民、市職員など15人が参加しました。
スクールは、ボードゲームなど各自が好きなこと、やりたいことを選んで始めます。遊びの中で名前を伝えたり、「何が好きなの?」などと聞き合ったり、自分が好きなものについて話したり…。
ルールは「お互いを尊重する」。スタッフは声をかけたり誘ったりしますが、無理強いはせず、参加者の意思を大事にします。
高校3年の男子生徒(18)は「異なる大学の学生が集まってこういう場を企画運営していることに驚いた」。中学2年の男子生徒(14)の母親は「最初は緊張気味でしたが、年の近い大学生と話をしたりボードゲームを一緒にやったりするうちに、子どもの目が輝いていきました。いろいろな学校や学年の人との交流を通してさまざまな考えに触れ、自分の考えも認めてもらえるので、とてもよいと思います」と話しました。
丸山さんは「サッカーをやっていて楽しいとか恋バナ(恋の話)などたわいない話をしに来る、ボードゲームをやりに来るなど、目的は何でもいい。そういう時間を過ごす中で自分たちと心の距離が縮まり、気持ちを話せるようになるといいんじゃないかな」。

丸山さんがポラリスを始めたきっかけは、さまざまな生き方や働き方をしている人との出会いや、学校・学年を超えたつながりを築くことを目的に塩尻市が開く、「中高生の部屋」に昨夏参加し、「自分が中学生の時にこういう場があってほしかった」と思って。家族の勧めで進学した高校では自分がやりたい学びと違うかもしれないと迷い、浪人生活を経て挑んだ大学受験は国立大がかなわず希望と違う大学、学部に入学した。しかし、現在は勉強が楽しく、大切な友人との出会いもあったといい、「そんな体験も中高生の役に立つかもしれないと思った」といいます。
「ポラリスを始めて『人をサポートしたい』という自分の夢に気付いたし、学ぶこともすごく多い。自分が悩んだ時に助けられた経験を生かし、決して上から押しつけず、下の世代が新しい価値観や選択肢に巡り合う機会をつくる手伝いができれば。継続的な開催と今後どう展開していくかが課題です」と言います。
次回は31日午後1時半~3時半、「安曇野さんさんハウス」で。途中の参加・退出が可能、親子参加も歓迎しています。インスタグラム=こちらから