小谷隆一さん回顧展 旧制高校記念館 松本への思いつづった原稿も

旧制松本高校OBで山登りに傾倒し、収集した山岳関連図書などを「小谷コレクション」として信州大に寄贈した小谷隆一さん(1924~2006年)。その生涯を振り返った「小谷隆一生誕百年回顧展」が23日まで、松本市県3の旧制高等学校記念館で開かれている。
信大大学史資料センター、同館など主催。京都出身で松高、東京帝国大(現東京大)で山岳部に所属した小谷さんは、家業を継ぐ傍ら国内外の数々の山に登った。隊長を務めたカラコルム山脈の7千メートル峰・ディラン峰遠征は、松高の後輩でドクターとして参加した北杜夫さんの著作『白きたおやかな峰』に描かれている。
展示では、小谷さんの著作『山なみ帖(ちょう)その後』に収めた「私のコレクションとその結末」の文に関する複数の原稿を紹介。第2回原稿では、松本の生活を「一生を通じてこのときほど純粋に生きたトキはなかった」とし、松高の後を継ぐ信大へのコレクション寄贈を「迷うことなく決めた」と記述。同センターの竹内亨さんは「小谷さんの松高への思いの深さが分かる」と話す。
16日午前11時から、同センター特任教授の福島正樹さんが、同記念館でギャラリートークを行う。企画展、ギャラリートークとも入場無料。開館は午前9時~午後5時(入館は4時半まで)、月曜休館。同記念館TEL0263・35・6226