
池田町会染の北アルプス展望美術館は3月23日まで、近隣の美術品コレクター4人から所蔵品を借り受け、「安曇野ゆかりの作家展」を開いている。個人所有のため、なかなか目にする機会がない作品。彫刻家の荻原碌山や彫金家の山本安曇、洋画家の等々力巳吉(みよし)ら19世紀末に現在の安曇野市や松本市で生まれた芸術家を主に、18人の51点が並ぶ。
荻原碌山が作ったといわれる灰皿は皿部分に覆いかぶさるように人物の姿が付いている。碌山が残した彫塑を、穂高出身の相馬愛三・黒光夫妻創業の中村屋(東京)が山本安曇に鋳造を頼み、20個作った中の一つとみられ、「No.12」と刻まれている。
等々力巳吉の作品は8点。「開智学校と女鳥羽川」と題した油彩画は、1963(昭和38)年まで松本市の女鳥羽川河畔(現・中央1)にあった同校を描いたもので、同美術館学芸員の倉科智幸さんは「今でも、その光景を覚えている人がいると思う。見に来て懐かしんでもらえたら」。
他に、現安曇野市三郷出身の日本画家・野本文雄が描いた「湖畔」など3幅の掛軸や、油彩画、染色画、彫刻などが並ぶ。
午前9時~午後5時。月曜休館。一般400円、高大生250円。同館TEL0261・62・6600