生徒らに交流の場を―長野韓国教育院新院長に柳尚材さん

在日韓国人の教育などを支える「長野韓国教育院」(松本市元町3)の新院長に、柳尚材(リュサンジェ)さん(60)が就任した。韓国政府教育部から3年の任期で派遣。日本との関係は政治レベルでは問題が多いが、「民間では韓国語講座や文化、民族楽器、料理教室などを通して交流したい」と抱負を語る。両国児童、生徒らの交流の場を設け、小中学校にも積極的に出向きたいと意気込む。
1983年に国立全南大学の日語日文学科に進学。3年生の時、「国際交流基金」からの派遣講師に「日本語うまいね」と褒められたのが励みになり、熱心に勉強した。中世の随筆家・吉田兼好の「徒然草」が好きで、今も愛読している。
韓国の高校で20年余り日本語を教え、教育庁で韓日間の国際交流業務を担当。2016年から3年間、神奈川韓国教育院(横浜市)院長を務めた。
「微力ながら韓日の懸け橋になりたいと思う。自然豊かな松本の魅力も韓国に伝えたい」と話す。
長野韓国教育院は、北信越5県と岐阜、愛知、三重の計8県を管轄。国際交流の一環として松商学園やエクセラン、東京都市大塩尻など中信6校を含む県内12高校の韓国語選択授業を支援する。昨年秋、現在地に拡張移転。韓服(民族衣装)の試着ができるほか、絵本や小説、歴史本などを置くブックカフェコーナーもある。