第三の居場所で卒業祝い 中3の黒田さん巣立つ

学校と家庭以外の居場所として児童生徒らに週1回開放している松本市松原地区公民館の「ほっとスペース松原」で13日、利用してきた中学3年の黒田幹太さん(15、寿小赤)の卒業を祝う会が開かれた。思いがけないゲストからのプレゼントもあり、新しい旅立ちをみんなで祝福した。
ほっと-は毎週木曜午後1~4時に開く。黒田さんは家から片道2キロの道のりを自転車や徒歩で2年間通い、卓球や料理などを仲間と楽しんだり掃除をしたりしてきた。中でも毎回、豆からひくコーヒーは好評で、この日も丁寧に入れて振る舞った。
そこへ、バスケットボール男子Bリーグ2部の信州ブレイブウォリアーズのマスコットキャラクター「ブレアー」がサプライズで登場。「信濃の国」のダンスを全員で踊り、黒田さんにはチームの帽子が贈られた。ブレアーは、県内各地へ出張するチームの企画を知った関係者が依頼した。
4月から愛知県の高校に進学する黒田さんは「楽しい人たちと出会えた思い出とともに大切にします」。市教委の不登校支援アドバイザー横林智子さん(68、中山)は、「スピードスケート五輪金メダリストの小平奈緒さんが大切にしているという言葉『挑戦すること、継続すること、覚悟すること、感謝すること、笑顔でいること』を贈り、今後の活躍を応援する」とエールを送った。