
安曇野市社会福祉協議会三郷支所(三郷明盛)は3月18日、認知症予防教室を市三郷福祉センターで開いた。所有する8ミリフィルム作品をボランティアで上映する務台秀夫さん(72、松本市蟻ケ崎1)が、昭和歌謡の映像を上映。地域住民や隣接する障がい者支援施設の利用者ら27人が観賞した。
参加者は認知症体操をし、職員が「懐かしいものを見て思い出して語ることが、認知症にも良いといわれる」と説明。都はるみさんや美空ひばりさんら昭和の名歌手らの8ミリフィルム作品を観賞した。
上映が始まると、「カタカタ」という回転音とともにスクリーンに白黒の映像が映し出され、参加者は真剣に見入ったり、曲を口ずさんだり。古き良き昭和の世界に引き込まれた。
観賞した布山直利さん(75)は「自分が生まれた年の映像もあり懐かしかった。フィルムが回る音も昔の映画館を思い出させ、心地よかった」。松岡三恵子さん(88)も「懐かしい映像にとても元気をもらった」と喜んだ。
務台さんは亡き父親の影響もあり、大の映画ファン。8ミリフィルムを買い集め、100本近くを所有する。徐々に劣化していく貴重な映像を多くの人に見てほしいと、10年ほど前から松本市などで観賞会を開催。父親の出身地でもある三郷地区では4年ぶりに開いた。