
座席とエンジン、タイヤをパイプフレームに取り付けた単純な構造の車で競うモータースポーツ「カートレース」。池田町広津にある県内唯一のカート専用コース「サーキットあづみ野」では、小学生から高校生までがドライビングの腕を磨いている。「夢はF1ドライバー」と目を輝かす子もいる。
信州から世界を目指す
3月23日は同サーキットがジュニア用車両を貸し出し、子どもたちに体験してもらう「ジュニアプロジェクト」の今年の初回。参加した子どものほか、「マイカート」を所有するなどレベルが高い子どもを含む約20人が車を走らせた。
4月に松本工業高校(松本市)に進学する小林大斗さん(15、同市宮渕)は車が好きで、園児の頃からカートに乗り始めた。丸ノ内中2年時からレースに参戦するなど、本格的に取り組んでいる。ほぼ毎週末サーキットを訪れ、1日170周ほど走る。
この日は1月に納車された新車で走行。今年は同サーキットが主催し、大人も出場するシリーズ戦優勝が目標だ。時速90キロ前後出るスピード感も魅力だが、「大人から子どもまで、同じ場所で競ったり、交流したりできるのがカートの一番いいところ」と小林さん。「地元の同年代の仲間が増えてくれたらうれしい」と期待する。
安曇野市豊科東小学校2年の金山飛呂さん(8)も幼い頃から車が好きで、小学1年の時にカートに乗り夢中になった。将来の目標はF1レーサーになること。父の誠さん(40、同市豊科光)は「子どもの夢はできるだけ応援したい」と見守る。
同サーキットは1997年開場。「ここに来て、野球やサッカーなどと同じスポーツとして、カートを走らせている子たちを見てほしい」と話す運営会社の寺島卓社長(50)もカートレーサーで、息子で信濃むつみ高校(松本市)2年の知毅さん(17)は、今年1月にタイで開かれた国際シリーズ戦で優勝してアジアチャンピオンに。信州から世界を目指す子どもたちの先頭に立っている。