人間くさいウサギのイラスト 大町のキビノスケさん4月18日から初個展

愛兔(と)をモデルにした人間くさいウサギのイラストを手がける、大町市在住のイラストレーター・キビノスケ(本名・松澤香菜子)さん(27)の初個展が、4月18日~5月6日、同市大町の「森の休息」で開かれる。イラストアプリで描いた作品大小約20点が並ぶ予定。ウサギやかわいいもの好きにはたまらない空間になりそうだ。
ポテっとした思わず触りたくなる耳に、つぶらな大きな目。まったりと湯に漬かったり、トイレでスマートフォンをいじったり…。人間らしいしぐさのウサギのイラストを、ほんわかタッチで表現する。「中に人間が入っているイメージです」と笑う。
モデルは、自宅で飼うネザーランドドワーフの5歳になるキビ(雄)だ。中学2年生の時に初代のウサギを飼い始め、すっかりとりこになった。「“ギャップ萌(も)え”ではないが、淡々としていて無機質なイメージなのに、喜怒哀楽や表情があるんだと知った」
小さい頃から絵を描くのが好きで、絵の仕事に憧れを抱いていた。ほぼ独学ながら、イラストから人物、風景画までジャンルを絞らず器用に描きこなす。「故に、自分らしい絵柄が定まらなくて」と悩んでいたが、「チャンスをくれたのはキビちゃんだった」。身近にいるキビの姿に突破口が見えた。
ふくよかにデフォルメしたウサギを描き、キビにちなんだ作家名で1年前からインスタグラムで発表し始めた。リアクションや興味を示す人が徐々に増えて自信になり、最近、仕事の傍ら、イラストレーターの活動を本格化させたばかりだ。
作品は、季節感を盛り込んだり、スイーツとコラボしたりと多彩でユニーク。握りずしに扮(ふん)した作品もユーモラスだ。見る人に感情を想像してほしいと、あえて口を描き入れていない。
ポストカードや缶バッジなどオリジナルグッズの販売も開始。アルバイト先の米粉の軽食店「Miru’sMeal」(同市)では、メニューとキビノスケさんのイラストがコラボしたカプセルトイを置く構想もある。
今後は地元のマルシェなどにも出店していく考えで、「まずは知ってほしい」とキビノスケさん。初個展を前に「作品を見た人には癒やされてほしいし、これを機にウサギ好きも広がれば」と話す。
キビノスケさんのインスタグラムはこちら

【世界で一番小さな展覧会第129回「キビノスケ展」】
4月18日~5月6日、日替わり店長のカフェやレンタルスペースの「森の休息」(大町市大町)。午前10時~午後5時、月曜定休。入場無料。オリジナルグッズ販売あり。同店TEL0261・23・7145