
松本市安曇の橋場集落にある「六地蔵」の帽子と前掛けが新しくなり、鮮やかな赤色が目を引いている。作ったのは地元の斉藤清子さん(88)。春の彼岸に墓参りする人たちを新しい物で出迎えたいと、10年ほど前から毎年付け替えている。
六地蔵は集落の墓地の入り口付近、旧野麦街道沿いに馬頭観音と並んで立つ。誰彼となく手を合わせるなど、昔から集落の人たちに大切にされてきた。
以前は別の女性が白い布で帽子と前掛けを作っていたが、高齢になってやめたため、斉藤さんがバトンを引き継いだ。「なぜ白布なのか尋ねたら『家にあった布で作った』と言っていた。私は赤い布を持っていたので、それで作り始めた」と斉藤さん。
手持ちの布は2年で使い切ったため、今は自分で購入し、毎年1月から2月にかけてこつこつと作る。例年は彼岸前に付け替えるが、今年は雪が降ったので、彼岸を過ぎて新しくしたという。