
張り替えるのではなく、塗り替える―。松本市の森川由美さん(44)が、塗るだけで壁紙をリフォームする事業を立ち上げ、奮闘している。壁紙の張り替えと比べて時間も費用も節約でき、廃材も出ない。「環境と財布に優しい壁紙リフォームを知ってほしい」と力を込める。
3月、同市笹賀の飲食店「ごはん処(どころ)つばさ」で、森川さんが作業していた。壁紙表面のごみやほこりをほうきで払った後、はがれた箇所などを補修し、専用の染色剤をはけで塗っていく。
見る見るうちに白くなっていく壁。店オーナーの山本裕美さんは「ごみが出ないだけじゃなく、臭いもしないんだね。うれしい」と笑顔を見せた。
壁紙再生は、壁紙革命(東京)が開発した染色剤「クロスメイク」を塗る特殊工法だ。森川さんは同社の正規代理店として昨夏、事業を始めた。
クロスメイクは水性で、臭いがなく、シックハウス症候群の原因の一つ、ホルムアルデヒドも含んでいない。壁紙の凹凸模様を損なうことなく、新品同様の仕上がりにできる。
森川さんによると、壁紙の張り替えと比べ、費用は約半分、作業時間は3分の1ほど。「家具の移動も最小限で済むので、年配者にも喜ばれる」。18色あるため、トイレや洗面所などの印象を変えることもできる。
森川さんは、3人の子どもを育てながら、複数のアルバイトを掛け持ちして見識や人脈を広げてきた。クロスメイクを知ると、「地元に広めたい」と考え、他の仕事を辞めて起業した。
今は友人、知人の紹介を頼りに一般家庭への施工が主だが、今後はホテルなどへも広げたい考え。「軽量のはけで塗るので、女性でもできる。職業の一つとして広がればいい」と展望する。
料金など詳細はホームページ(「クロスメイク信州」で検索)。森川さん℡070・1305・1995