
安曇野市穂高の碌山(ろくざん)美術館は4月19日、政治学者で同館とゆかりが深い姜尚中(カンサンジュン)さん(東京大名誉教授)の講演会を、近くの穂高会館で開く。市出身の彫刻家・荻原碌山(本名・守衛)の命日(4月22日)に行う「碌山忌」の関連事業。美術に造詣が深い姜さんが「アートが拓(ひら)く地域」と題し、幅広い視野から見た美術館の在り方などを話す。
姜さんと同美術館の縁が深まったのは2010年。5月に知人の案内で同館を訪れ、10月には自身が司会を務めていたNHKEテレの番組「日曜美術館」で同館を紹介した。同館が22年に行った修繕費を得るためのクラウドファンディングの際には、姜さんが呼びかけのメッセージを記した。
同館の幅谷啓子館長は「もともと荻原守衛が号を『碌山』としたのは、夏目漱石が熊本県の阿蘇山を舞台に書いた小説『二百十日』の登場人物・碌さんを気に入ってのこと。熊本県出身の姜さんとの縁を感じる」。当日の内容について「世界情勢も不安な今、政治学者の姜さんが、アートや地域をどう論じるのか楽しみ」と話す。
午後1時半~3時。聴講は事前の申し込みに加え、当日(19日)付の美術館入場チケット(一般900円、高校生300円)の提示が必要(会場でも販売)。同美術館TEL0263・82・2094