オルゴールの音色で癒やしを フジゲンが障がい児ら福祉施設で療育支援

重い障がい児らを受け入れている多機能型事業所「ゆうスマイル」(安曇野市豊科南穂高)で3月28日、オルゴールの演奏を聴くコンサートが開かれた。利用者や家族、施設スタッフら20人余りが、大小さまざまなオルゴールが奏でる音を楽しんだ。
ゆうスマイルは2023年4月開設。赤ちゃんから大人まで、心身の活動に高度なサポートが必要な人たちを受け入れている。
今回は、利用者とその介護に当たっている家族に癒やしの時間を提供しようと企画。療育支援で実績のある楽器メーカーのフジゲン(松本市平田東3)が演奏を担当した。
この日は、1990年代初めに作られた大型ディスクオルゴールで唱歌やクラシック曲などを流した。参加者自身が手回しオルゴールで演奏を体験する時間も設けられた。
ギレン・ウオーターズ知世さん(39、安曇野市)は、長男のアッシャーちゃん(4)の様子に「普段は刺激で体が緊張してしまうのが、今日はリラックスして聴いていた。オルゴールの音は優しい。最近、感情表現が出てきたところで、いい刺激になった」と笑顔だった。
施設管理者の堀崎亜希子さん(50)は「体を揺らしたり声を出したり、利用者がいい反応をしていた。家族にも癒やしになったと思う」と喜んだ。
フジゲンが地元の福祉施設でコンサートを開くのは1月の「彩(いろ)の木」(松本市梓川倭)に続き2度目。担当の胡桃澤紀彦さん(51)は「療育の世界は深くて広い。じっくりやっていきたい」と話す。