みそ汁を研究 小6の荒井樹人さん 今年は「うまみ」に着目

松本市の清水小学校新6年生・荒井樹人(みきと)さん(11)は3年前から、みそ汁の研究に継続的に取り組んでいる。浮かんだ疑問や予測を翌年のテーマにし、家族や先生の協力を得たり、分からないことや測定の方法を企業や専門家に問い合わせたり。本年度は「うまみ」に着目して研究を深める予定だ。

水は? 具は? 疑問を調査

始まりは3年生になる前の春休み。料理が好きで母の絢子さん(43)をよく手伝い、「家族に喜んでもらおう」と毎日みそ汁を作った。昆布やかつお節、あごなどでだしを取り、みそも具材に合わせて選ぶうちに「みそ汁に合う水は?」と興味が湧き、その年の自由研究のテーマにした。
本などで調べて硬水と軟水があることを知り、みそ店にも尋ねて軟水が合うと分かると、家族と一緒に市内21カ所の湧き水を巡って硬度を測り、最も低い水でみそ汁を作った。
4年生になると、母親の毎朝の時短になればと、日なたで乾燥野菜を作り、煮えるまでの時間を生野菜と比較した。乾燥野菜を作る過程では、学校から気温や明るさなどを測る機器を借りて記録。乾燥させた野菜とその煮汁がおいしくなったと感じたことから、「太陽の力がうまみや甘みを引き出しているのでは」と考えた。
そこで5年生では、日なたと日陰で干した野菜と、生野菜を比較することにし、糖度計を使って数値化。煮汁は結果がばらついたり、野菜自体は日なたでも日陰でも干せば糖度が上がったりしたが、食べると日なた干しの方が甘みを強く感じたことから、さらに疑問が湧いた。
「みそ汁は体が温まるし、具だくさんにすると栄養も取れる」と話す荒井さんの将来の夢は、管理栄養士になること。「食事のバランスを考えるなど面白そうだし、いろんな人の役に立ちそう」。昨年、駒ケ根市にある国際協力機構(JICA)の施設を見学するなど、海外で活動することにも関心が生まれているという。