【なないろキッズ】 #106 学校の掃除は高難度

学校の掃除時間は、発達の偏りのあるお子さんにとってネックになることが多いです。掃除場所が定期的に変わり、学校以外で使い慣れない道具を使い、「効率よく」「協力して」掃除するということは、難易度が高く感じるお子さんもいます。
どう振る舞っていいか分からず動けないでいると、「サボッている」と級友に責められるなど、トラブルの元にもなりやすいです。また、感覚過敏や潔癖症のため、不快が強くて我慢しきれないお子さんもいます。
掃除時間に苦痛や困惑を感じている場合、何が大変かを聞き取りましょう。ただ、何が大変かと聞いても自分でもうまく答えられないかもしれません。選択肢を挙げるなどして答えやすいようにしてみてください。
掃除のやり方が分からない場合、具体的に「何を」「どのぐらい」「いつまで」「どのようにする」というマニュアルを作ることが大きな助けになることもあります。毎回状況が変わって臨機応変に動くことが苦手なお子さんの場合は、担当場所を一定期間固定にすることを提案するのもいいかもしれません。
一人で完結する作業の方が、状況に応じて協力して行う作業よりやりやすいかもしれません。不器用で雑巾が絞れない、ほうきとちりとりでごみを集めるのが苦手などがある場合、工夫して練習することでできるようになるかもしれませんが、思い切って別の作業を担当してもらうのも一つです。
大人になったら雑巾や、ほうきとちりとりなんて使えなくても他の掃除道具(掃除機、粘着カーペットクリーナー、フローリングワイパー、ウェットシートなど)があるので全然困りません。嗅覚過敏でトイレ掃除が苦手とか、潔癖傾向で雑巾が触れないなど、昭和的な考え方をする人には「わがまま」と断罪されるようなことかもしれませんが、本人にとっては死ぬ思いで我慢することになる、とてもつらい作業ということもあり得ます。
本人の感じ方を尊重し、マスクを二重に着ける、ビニール手袋を使うなどの工夫をするか、苦痛が強い場合は別の作業を担当してもらうのも現実的ではないでしょうか。